ゼロ・クーポン債
はじめて聞いた時には、なんのことかピンときませんでした。
10年ものなどの「割引債」(ストリップス債ともいう)といえばイメージがつきやすいのではないでしょうか?
昔、なけなしのバイト料を80万円弱ためて10年満期の郵便局の養老保険を一括前払いでかけました。
それがつい最近満期になり、100万円になりました。その利子ざっと20万円!うれしかったです。
つまり、この「ゼロ・クーポン債」も同じ原理で、例えば、「10年後に1万ドル満期」で受け取れるという債券を今、割引価格(5/8現在6,300ドル前後)で購入するというものです。期間中の利払いを必要とせず、将来大きく育った額をまとめて受け取りたい人向けの投資です。優良な保険や年金などもこの「ゼロ・クーポン債」で運用していると聞いたことがあります。
では、もう少しくわしくお話していきましょう。
ゼロクーポン債とは?
債券には大きく分けて、通常半年に1度利息を受け取れる「利付債」と、償還時に100%となるようにして、あらかじめ割引の価格で発行される「割引債(ゼロクーポン債)」があります。
ゼロクーポン債は、利付債と違って、期間中の利払いが無い代わりに、購入時の価格を額面よりも安く設定し、償還時には額面通りの金額を受け取れます。例えば、10年後満期の米国のゼロ・クーポン債の現在の価格は、額面を100とすると63前後(5/8現在)です。当然、満期までの期間が長くなるほど割引率は高くなり、23年後満期では33強。一般的には1,000ドルから購入可能といったように数万円から投資可能なので、利付債より初期投資が少なくてすみます。
利息分も複利でしっかり運用できる
利付債は、定期的に利息を受け取れるというメリットはあるのですが、その一方で、受け取った利息を使ってしまったり、その分再投資額が小さくなります。また、利払いごとに20%の税金が源泉徴収されます。
一方、割引債には、再運用のリスクがなく、償還までの複利利回りでの運用が確定しているため、「利子が利子を生む」複利効果も享受できます。
では、具体的にみてみましょう!
ここで一例としてマネックス証券 の「米ドル建て10年債 タイムカプセル2016」を例にとってみます。
(ただし、この商品は2007年3月27日で発売期間が終了しました。今、販売している新規商品では、大和證券の3年もの3.96%がありましたが、解説のためにマネックスの商品を使わせていただきます。ラインナップが豊富なのは野村證券 です。)
まず、10年満期もので売出価格が額面1,000米ドルにつき655米ドル(日本円で約78,600円)、20年満期もので428米ドル(日本円で約51,360円)です。
年利回りは4.32%なので(年1回複利)、約16年超で倍になります。
より安定した余裕資金の長期運用が可能というわけですから、「何年後にいくら欲しい」(子どもの教育費や自分の年金の空白期間など)といった具体的なゴールから逆算できる元本確保型の投資方法といえます。そのためにも、くれぐれも債務不履行(デフォルト)にならないようトリプルAといった格付のしっかりした債券の購入をおすすめします。
円高・円安でどう変わる?かんたん損益シミュレーション
・ 償還時(換金時)の為替レートが円安になればなるほど、円ベースでの受取金額は大きくなる。
・ その反面、償還時(換金時)に円高になるほど、円ベースでの受取金額は小さくなってしまう。
つまり、額面の半分で購入した債券は円相場が対ドルで2倍の水準まで円高になれば収支トントンというのが大まかな考え方です。
先程の債券でいうと、65.5%で購入したものですから、今、だいたい1ドル=120円ぐらいですので、10年後に1ドル=78.6円まで円高になれば、トントンということになります。過去の相場の変動を参考にどの程度の水準まであり得るか、自分なりの相場観を持っておく必要があります。
また、満期まで持てば額面が確保されますが、途中で売却する場合は、価格は日々変動しており、値下がりしている可能性もあります。
税金や経費は?
外国籍の利付債は、利払い日に支払われるクーポンに対して20%の源泉分離課税され、償還時や途中売却した場合は非課税となります。
一方外国籍のゼロクーポン債は、償還時の売却益に対して雑所得(所得が2,000万円以下の人は20万円までの雑所得は控除される)として総合課税です。
一方途中売却の場合は、売却益(為替差益含む)が譲渡所得になり、50万円まで控除されますので、その範囲内なら税金はかかりません。5年以上の長期で保有した場合は、50万円以上の部分の半額が総合課税の対象になるため、さらに有利です。この付け焼刃的な債券投資に対する課税をうまく利用して、税金を払うことなく投資することが可能になります。
ただし、金融商品の税制は見直し議論が出ていて、現在の税制が換金時まで続くとは限らないので注意が必要です。
また、購入時には為替手数料と売買手数料がかかります。通常の証券会社では、米ドル建ての場合は往復1円(購入代金の1%程度)だが、ポンドやNZドルなどは2%近くになることもあります。売買手数料は売買価格に含まれており、これは証券会社によって異なるが、米国10年債の場合は0.2%程度。
また、証券会社によって異なりますが、外国証券口座の口座維持手数料がかかることも多く、年間2,000円から3,000円超程度かかることから、あまり少額の投資では割にあわないかもしれません。
(参考引用:日本経済新聞2007年5月13日より)
この記事はカテゴリ名に投稿されたyarikuriさんのブログ記事です。
元記事URL : http://blog.livedoor.jp/yarikurisouken/archives/50524570.html


